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2010年12月26日

未来都市、ドバイで見たオリーブオイル(2)


仕事の合間にオリーブオイルを求めて、いくつかのモールを駆け抜けました。中東の商流・物流の“ハブ”であるドバイ。スーパーマーケットや専門店ではどのようなオイルが並んでいるのでしょうか。中東のオリーブオイルがオールスターで並んでいる光景を見られるのでしょうか。そんななか、私が強く感じたのは「スペイン勢の攻勢」でした。

<スーパーでは物量に圧倒>
人・金・モノが集まるドバイのこと、オリーブオイルも世界中から選りすぐりの一品が集まっているのではとワクワクしていました。業務の合間に大急ぎでモールのスーパーに走ったくらいで調査不足は否めませんが、(1)どこにでもイタリアやスペインの高級なブティッククラスが勢揃いしているわけではない、(2)スーパーでの棚の占有率が驚くくらい大きい、(3)品揃えは日本で流通している生産国と顔ぶれが違う――といったことが特徴として挙げられるでしょうか。ヨルダンやレバノン、シリア、モロッコ、チュニジア、トルコといった中東のオイルがオールスターで勢ぞろいというわけではありませんでした。

画像 010.jpg
エミレーツ・モールにて


まず高級品は、一部イタリア食品の専門店などで販売されていましたが、数自体はそれほど多くない印象です。ドバイ・モール内の「カルッチオ」というレストランにはイタリア食材のショップが併設されており、タジャスカ種やカーザリーバ種などのオイルが販売されていたのが、私が目にした数少ない事例です。ウェブで調べたり駐在員にも聞きましたが、いわゆる「オリーブ専門店」はない(らしい)ということでした。

伊レストラン棚イタリア産.JPG
イタリア食材店でみつけたチュニジア産のオイル


出張出発前、ウェブで「オアシス・センター」というモールに、「グルメ・ステーション」という高級デリができて、世界のオリーブオイルを扱っているという記事を目にしました。記事を手に走ってみましたが、店内は閑散…。店員いわく「昔は、スペインのヌニェス・デ・プラドのような高級品をたくさん扱っていたけど、今はご覧のとおりよ」。わずかに残っていたのは、スペイン産の100mlボトルが数種類置いてあるだけ。しかも、それはウェイトローズ(ドバイ・モール内)に置いてあったものと同じでした。ディーン&デルーカ(ドバイ・モールほか)に行けば収穫があったのかもしれません。

スペイン産小瓶.JPG
「グルメ・ステーション」にあったラベルのかわいい100ml瓶


次に、驚いたのがスーパーマーケットでの、オリーブオイルの棚の“占有率”です。店舗自体が大きいので、その辺は割り引く必要があるでしょうが、ウェイトローズ(ドバイ・モール)もカルフール(モール・オブ・ザ・エミレーツ)も、オリーブオイル売り場はひたすら大きいものでした。その他の植物油売り場も、キャノーラ油やらひまわり油やらが驚くほど大量に陳列されています。しかも、同じ商品が単純に大量陳列されているわけではなく、商品の種類が多いのにも感動。カルフールではオリーブオイル缶の専用棚もありました。缶があれだけたくさん並んでいるのは見たのは初めてのことでした。量に圧倒されたという感じでしょうか。

カルフールOV棚.JPG
オレンジ色の旗の間がオリーブオイル棚


カルフール缶の棚.JPG
オリーブオイル缶の専用棚


<攻勢かけるスペイン>
海外のスーパーマーケットなどに行って、棚に並んでいるオリーブオイルの顔ぶれが、日本のそれとまったく違うと感じた時には心ときめくものです。ドバイのスーパーの品揃えは、私の心をときめかせるに十分なものでした。

どのスーパーでも目立ったのがスペイン産の存在感。イタリアや他の欧州諸国、アラブ諸国を圧倒していました。帰国後、ウェブをみていたら、スペインは相当ドバイへの売り込みに精を出しているようです。2010年6月にもICEX(スペインの貿易振興機関)やハエン商工会議所がマーケティング・ミッションを派遣しています。こうしたミッションは随分前から、ドバイに繰り返し派遣されているようです。

Waitrose_PB製品スペイン.JPG
英系スーパー、ウェイトローズのPB製品(スペイン産)


こうしたことを反映してか、棚に占めるスペイン産の割合がかなり大きい印象を受けました。しかも、よく売れているようです。ウェイトローズとカルフールのオリーブオイル売り場で、消費者の購買行動を15分くらい観察してみたところでは、売れ筋だと思われるものの一つが、スペイン大手オリーブオイルメーカー「ボルゲス」(Borges:コルニカブラ種、オヒブランカ種)。大瓶を5〜6本まとめ買いする人も。日本の×××××や*****をまとめ買いする感覚でしょうか。大瓶(500ml)は17ディルハム(約380円)というお手頃価格です。ほか、スペイン産では、「ラファエル・サルガード」(Rafael Salgado:オヒブランカ種、コルニカブラ種)を手に取る人も目立ちました。

カルフールBorges.JPG
「ボルゲス」(スペイン)


カルフールRSスペイン.JPG
「ラファエル・サルガード」(スペイン)


このほか多くの人が買っていったのは、フランスの「ピュジェ」(Puget)。フランスのスーパーで「ルシュー」(Lesieur)と並んでよく置いてあるブランドです。カルフールでは、ピュジェは小瓶、中瓶がともに売り切れ。大瓶(750ml)が23ディルハム(約520円)でした。他の欧州勢では、ドバイ・モール内のオーガニック製品専門店で、ポルトガル、ギリシアのオーガニックものが特売品として売られていました。

カルフール棚Puget.JPG
「ピュジェ」(フランス)


Waitroseポルトガルギリシャ箱.JPG
オーガニック食材店で売っていたポルトガル産(手前)とギリシア産


中東のオイルでは、どのスーパーでもシリア産が幅をきかせており、他の中東諸国のオイルはあまり見かけませんでした。シリア産では、「ラマ」(Rahma)というブランドが小瓶(250ml)で8ディルハム(約180円)。「セルベージャ」(Serjella)も同程度。それにトルコ産のオイルが少し並んでおり、期待していたヨルダンやレバノンのオイルはありませんでした。

シリア_ラマ.JPG
「ラマ」(シリア)


Waitrose_Bertolli&Syria.JPG
「ベルトーリ」と並ぶ「セルベージャ」(シリア)(右側)


<ドバイ土産には「バティール」>
最後に中東らしいオイルを。ドバイ土産と言えば、デーツ(なつめやしの実)を勧められます。中東のドライフルーツです。最も有名なのが「バティール」(Bateel)というサウジアラビア発のデーツ専門店。栽培も生産もサウジアラビアで行われていて、イスラム圏にブティックがあります。ロゴもおしゃれなら、店内もかなりおしゃれ。デーツが苦手な方には、チョコレートやデーツクッキー、スパークリング・デーツ・ジュース、デーツ・バルサミコとラインナップも豊富。ここに、バティールブランドのオリーブオイルが売っていました。縦長のすらっとした瓶で中東の雰囲気を残しながらもおしゃれな一品。中身はスペイン産で、これをUAEで瓶詰めしているようです(100ml、25ディルハム=約550円)。ご旅行やご出張の際、「バティール」はお土産探しにお勧めです。ドバイ・モールなどいくつかのモールに展開しています。

Bateel_Logo2.JPG
「バティール」のロゴ


batexi-ru.JPG
バティールブランドのオリーブオイル


派手なものばかりを見せられて日本に帰ったら、何かむなしさを感じたのは私だけではないはずです。アメリカのラスベガスと違って、ドバイは“張りぼて”ではなく本物っぽい。一番強く感じたのはそんなことでした。ドバイショックで一時は心配されましたドバイ経済ですが、確実に回復していることを実感しました。どうにかして、日本も活気あふれる元気な世の中になって欲しいものです。

(おわり)



posted by Mark at 15:44| Comment(2) | オリーブオイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すご〜い!マークさんはオリーブオイルジャーナリストだわ。
毎回、良いお勉強をさせていただき感謝です。

オイル瓶のラベルがとても印象的です。
やっぱり、ラベルはお商品の顔ですね。
わたくしは長い間、自営業に従事しておりましたが、
お客さまの手が伸びるお商品というのはパッと見、一様に中身より美しい包装のモノでした。

しかし、古書の本棚ならぬオリーブオイルの豊富さと陳列棚のスケールには驚きますね。
老婆心ながら中東には地震はないのでしょうか。
すわ、地震!!の時にゃ、カートを押す奥さまはオリーブオイルの下敷きでございます。

さて、今年も余すところ数日、
屈指の金融国ドバイの景気が寄せては返し、かえっては寄せる波となり世の中を明るく照らして欲しいものです。
マークさん、おつかれさまでした。
Posted by iiji-olive at 2010年12月27日 21:45
Markさんお帰りなさい!
世界中あちこち巡ってご報告くださるおかげで、こちらも楽しませていただいてます。
缶入りのオイルが並んでいるんですね〜
沢山消費されるってことですよね。さすが。
見たことの無いラベルをたくさん見せてもらって、こちらもときめきました★う〜ん味わってみたい^^
Posted by やぎ at 2010年12月27日 22:09
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