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2011年02月03日

メイド・イン・小豆島の実力。(3)


小豆島はオリーブの聖地だけではありません。野田、銚子(いずれも千葉県)、龍野(兵庫県)、大野(石川県)とならぶ五大醤油産地の一つに数えられます。小豆島で醤油が作られるようになったのは江戸時代から。先人の努力の甲斐あって、その醸造技術は親から子へ、子から孫へと受け継がれ、この地域の文化として根付いています。「実力」を兼ね備えた正真正銘のジャパンブランドです。

ヤマヒサ前掛け.JPG
ヤマヒサ醤油にて


<原料と製法へのこだわり>
400年の歴史を持つ小豆島の醤油産業。その味は、関東人の私にとって、九州産ほどは甘くなく、関東産よりやや甘口といったところでしょうか。特色は「杉の桶」を使用して醸造が行われることで、色、コク、香りのよい、おいしい醤油が作り出されてきました。コクと香りの決め手はよい麹菌を育てること。それには、よい微生物が住みついている桶(こが)と呼ばれる大きな杉桶を使用することがポイントなのだそうです。化学調味料、合成保存料、合成着色料などを一切使用せず、ほぼ1対1の割合の使用される九州の丸大豆、讃岐や北海道の小麦を原料として、桶で発酵、熟成されて極上の醤油がゆっくりと生まれていきます。香川県はうどんで有名なように小麦の産地なのです。

ヤマヒサの杉桶(下部).JPG
ヤマロク醤油の杉桶。醤油造りに欠かせない菌がびっしり


小豆島で醤油産業が発展したのは、原料となる地元で産する良質の塩と、讃岐の麦を活かすとともに、海上輸送の要所である地位を利用して、塩や石材の帰り荷として大豆を持ち込めたこと、そして何より温暖な気候が麹菌を育てるのに適していたからだといいます。全盛期に比べると、醸造所の数は20軒あまりに減っていますが、現在でも、バイオ技術やコンピュータ制御を取り入れるまでもなく、昔ながらの自然の力を活かした醸造方法が伝承されています。

醤油桶上部.JPG
醤油の元になる諸味(もろみ)がじっくりと熟成の時を過ごす(ヤマヒサ醤油)


この醤油を使った佃煮産業も島の特産品。化学調味料、合成保存料、合成着色料を一切使用していない自然そのままの昆布、のりなどの佃煮は絶品。味の決め手は地元で作り出される醤油のコクと香りにほかなりません。佃煮産業の始まりは戦後で、敗戦後の食糧難時代に、地元にあった醤油でサツマイモのツルを炊いたことに由来するといいます。

<心和む「醤(ひしお)の郷」>
島の南東部、馬木・苗羽(のうま)地区は、醤油蔵や佃煮工場が集積しており、「醤の郷」として観光スポットにもなっています。私が道をレンタカーで行き来した休日でさえ、何ともよい香りが車中に漂ってきました。平日の稼働日は一層、醤油の香りに満ちていることでしょう。醤油の発酵によって黒くなった蔵の塀や屋根が続く非日常の風景。「郷」の中を歩けば次々と醤油蔵らしき建物をみることができます。これだけ醤油蔵が密集している地域はおそらく他に例を見ないでしょう。

ヤマヒサ壁面.JPG
ヤマヒサ醤油にて


醤油蔵は現在では20軒ほどにまで減少していますが、桶の本数は1,000本を超えているといいます。醤油、味噌、日本酒など、日本全体で桶の数が4,000本くらいだそうですので、4分の1が小豆島にある計算になるのです。醤油蔵では見学を受け入れてくれるところもあります。小豆島を訪れた折には、香ばしい醤油の香り漂う「醤の郷」の散策を楽しまれることをお勧めします。小豆島の醤油については、醤油ソムリエールでありオリーブオイルソムリエの黒島慶子さんのサイト(「醤の郷」「黒島慶子の醤油日記」)が参考になります。

ヤマロク醤油外観.JPG
ヤマロク醤油


醤丼(ひしおどん).JPG
ひしお丼。醤の郷で作った醤油、もろみを使ったS級グルメ(井上誠耕園のカフェ忠左衛門にて)


<本物、こだわり志向の消費者を取り込め!>
今日の醤油市場をみてみると、マス・プロダクション、低価格化が一段と進む一方で、健康志向、本物志向から、原材料、製法、そしてまさに職人の匠にこだわった商品のマーケットが広がってきたように感じられます。原材料にこだわり、杉桶を使った伝統的製法で作られた濃口醤油、薄口醤油、再仕込み醤油などの小豆島こだわりの製品――まさに「職人醤油」の世界。どのように販路を確保、拡大してファンを増やし、伝統ある技術、職人を伝承していくか。

ヤマヒサでのサンプリング.JPG
ヤマロク醤油でのサンプリング


日本国内の市場縮小の時代を見据えた「攻める」アプローチも有効かもしれません。例えば米国では、日本の食生活が脂肪や糖分の摂取量が少なく、栄養的に非常にバランスがとれていることや、 健康面での多くの効能が知られる DHA や EPA をふんだんに含む魚介類を多食することはよく知られています。こうした日本食の健康的な側面は、ジャパンブランドとしての日本産食品の輸出で大きなセールスポイントになります。

ドバイの醤油売り場(Waitrose).JPG
米国ではありませんが、ドバイのスーパーの醤油売り場


80 年以上にわたって米国で日本食品の輸入、卸を行ってきた日系のあるディストリビューターは、日本全国から集めた希少なこだわり食材を米国で販売しています。醤油、塩、味噌、砂糖、酢、昆布など日本料理の基本となる調味料類のほか、超低温マグロや和牛など、素材・製法に徹底的にこだわった高品質商品も扱います。醤油は米国内でも生産されるなど、幅広い市場を持っています。日本同様、「職人醤油」のようなこだわりの商品を求める層が存在します。

これらには、常に新しいものや創造性を求めているシェフや、「ほかにはない味を出したい」というこだわりをもつ高級レストランの間で需要があるといいます。こうした動きを見据えながら、海外も見据えたアプローチが必要になる時代が訪れるのも遠くないのではないかと思います。さまざまな側面からマーケティングをしっかり行える人材育成も不可欠です。

「実力」に裏打ちされたジャパンブランド、メイド・イン・小豆島の醤油の今後を見守るとともに、オリーブとともに引き続き応援していきたいと思います。

<小豆島の主な醤油サプライヤー>
正金醤油株式会社
金両株式会社
株式会社高橋商店
左海醤油工業株式会社
株式会社ヤマヒサ
タケサン株式会社
ヤマサン醤油株式会社
出所:小豆島町役場 オリーブ情報サイトOlive Station

(おわり)





posted by Mark at 00:10| Comment(0) | オリーブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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