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2011年12月11日

大馬鹿かぼちゃの前途。



桃栗3年 柿8年、梅はすいすい13年、柚子の大馬鹿18年、ミカンのマヌケは20年。
りんごニコニコ25年、女房の不作は60年、亭主の不作はこれ一生、あーこりゃこりゃ。
と、かような律動で人生教訓を学び現在に至る。
そんなわたくしは果物には目が無い、中でも晩白柚は大の好物だ。

折しも、そのバンペイユをデフォルメしたかのような図体の農産物を頂戴した。
この年の瀬にうれしいではないか。
かまちにゴロゴロと並ぶ様は、パラオは謎の巨石・ストーンモノリスだ。

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銀杏や豆、これらは某ギャラリーの年賀を飾る。


してその正体は「アトランティックジャイアント」という牛の飼料として導入されたカボチャの仲間なのだそうだ。
その種子に含まれるでんぷんやグリコーゲンの多糖体は家畜牛の免疫機能及び、抗病性の改善に役立つとの事。
そもそもかぼちゃはビタミンAやベーターカロチンの多い緑黄野菜であるし家畜牛もわれらと同じ生命体だ。
機能改善に貢献ならばこちらもご相伴に預かりたいものだと食指が動いたが、
うまくない『飾り物だよ』とおとなりさんに釘を打たれた。

しかし、日ごろの食卓でお世話になる牛さんの食む作物である。
食を共するのも鎮魂だ。
それに何はともあれ珍品というところがカボチャならぬウリである、など発奮するもここで問題が生じた。
それは重さが10キロ以上もある石部金吉をどう扱えばよいか、である。
家庭の菜切り包丁では歯が立たないのは一目瞭然。
とはいえ大ナタを振るうのは橋下大阪新市長だけで充分であろうと思われる。

ところで、生食できる南瓜とくれば黄色を呈した上品な顔のサラダかぼちゃ「コリンキー」だが、
故地のときたら何とも意表を突くメガデカの上に迷彩柄着用だ。
自然の画筆はいったい何を訴えているのか、を考えさせられながら最も小ぶりの物を選び縁側にて包丁を立ててみる。
見た目や噂で物事を判断してはならない、というのが乳母からの教えだったが、バカ味確定の上での実行だ。

さて、そうこうしていると村のガキが数人、歩み寄って来た。
そして小僧の1人が切り分けられたオレンジ色の果肉に視線を向けながら、仲間内にこう叫んだのだった。
「見てみぃ、馬鹿カボチャがおるぜ」。
キミ、たしかに「かぼちゃの切断面画像を消去したバカ者」はここに居るが、
南瓜には謙譲語の「おる」は用いないのだよ、と年甲斐もなく切れたわたくしである。

で、肝心の食感だがシャキシャキとした歯ごたえと口中を洗い流すような爽快なノド越しは、なかなか、結構なお味ではないか。
例えるならば瓜と胡瓜と西瓜と南瓜、と漢字で韻を踏んだ味わいだ。
こだわりの塩を振るとますますイケるぞ。
実はこの塩、フィリピンはパンガシバシナンの天日物。
甘みが際立つので毎年、オリーブピクルスに使用している。
屋号を「安塚の塩」という。
この塩を使うことで現地の子どもたちの就学を応援している言わば国際交流塩である。

次はオリーブオイルの出番だ。
フルーティーでやさしい味のオイルを試すとあっさりとした食味の中にも生かぼちゃならではの甘みが突出してくる。
一方、苦々しいオイルとも相性が良いらしく噛みしめるたびに、果肉に含まれる余計な水分が凝縮されて旨味が引き立ってくる。
結果、アトランティクジャイアントは透明感のある味で不味くはない。
世間であれこれ取りざたされる事は、つまり風評は当てにはならないということだ。
ただ、味にちとばかしおもしろみの欠ける漠然さを持っているのだ。
そこを補うのが素材の隠れた味を軽妙洒脱に引き出してくれるオリーブオイルということなのだろう。


と、それからしばらくこのかぼちゃが何故にこんなにデカいのかと首をかしげていて、
「意思」を持っているのだということに気がついた。
つまり、人間に食べられてはなるまいと必死となり、それが一般の通念とは違う観点から、
かぼちゃが別物としての概念を覚え生き残りを図ろうとしているのだ、という見地にたどりついた次第だ。
そこでお隣さんに、当オブジェ論を展開したところ、それ以降、ちっとも姿を見せなくなった。
宇宙人に連れて行かれたのであろうか。

しかたがないので福岡は中央区天神で和紙屋を営む友人に、この想念をカボチャごと託すことにした。
天神と言えばオリーブオイルの店アビーロ福岡だぞ。
かのアビーロから北へ数分に位置する天神3丁目のGSタカハシビル。
その1階で和紙産土の「のろし」を上げるのが「ペーパーロード」だ。
当ギャラリーはインテリアに適した和紙を中心に、海外の手漉き紙など約800点にも及ぶ紙を収集する、
言わば日常生活を和紙で潤わさせるがための大人の知的空間なのだ。

今年も残りわずか、その来たる12日(月)・正月用しめ縄の展示販売が始まる。
ペーパーロードのしめ縄および、正月年賀に気を利かせる小物用品は、
一般既成のそれとは大いに異なり当店、店主の鼻息と気合い満載の個性派揃いにて売り切れ御免である。
物見遊山も大いにけっこう、目のお正月になること請け合いだ。

余談だが大馬鹿かぼちゃにお気づきの際は、ひとさすりしていただくと福を招き、
ふたさすりでおめでたを授かるやもしれないのである。



posted by イイジオリーブ at 00:16| Comment(0) | 和紙の店・ペーパーロード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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