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2012年08月31日

9月、目前の朝に。


9月が目の前の朝、オリーブ畑に立つ。
自然栽培を地で行く手つかずのオリーブくんの仲間には、
モグラやゾウムシ被害で枯渇死したものもある。

そのなか、けっこうな数の実をつけたマンザニロくんがいち早く色づきだして、
「放置オリーブ」の勇士を見せつけてくれている。
実に頼もしいかぎりだ。
そろそろグリーンオリーブの収穫を始めなければならない。
その塩漬けに至るタイミングおよび仕事の段取りを練っているところへ、
夏休み最後のラジオ体操を終えた子どもたちがズダダダダとなだれ込んで来た。
朝っぱらから何事かと思えばおどろいた事に夏の課題に苦慮しているのだそうだ。

夏休みとくれば宿題と研究課題のふたつが大原則。
この決まり事を最初からないように軽んじていた当然の結末だ。
これを世間では自業自得という。

とはいえ、少年たちにはオリーブの木のゾウムシ捕獲作業で
「平素はお世話になっております」なのだ。
これからの事もあるし、ここは助っ人にならない訳にはいくまい、
と、こころのなかで大人のかけ引きをする。

そこでスライム作りを提案すると、オオーという歓声が上がった。
スライムといえばホウ砂とPVA洗濯糊と水、
それに絵具や食紅があればいともたやすくできる「ぐにゅぐにゅ、どろどろ感触」の、
だからといって触った手にはくっかない奇妙な物質だ。

想い起すもドラクエシリーズで鳥山明さんが
イメージしたキャラクターデザインのニンマリ顔が流行った時、
世の中にいきなりお目見えしたのがコレであった。
当時、その不思議な手触りに触発されて
年甲斐もなくスライム作りにのめり込んだものだ。

ホウ砂は薬局さんで手に入る代物だが都会はどうだろう。
ただし、わたくしのソレは当時の使い残しで30年物のビンテージだ。
時間の経過でドロドロ感を出す威力が衰えていなければ良いなぁ、と心もとないが、
なに、なに、子どもたちの手前もあるしいつもの気合で乗りきってみたい。

さて、そのスライムも当たり前に作っていたのではあまり面白くない。
そこで、庭に天生えしたハーブでさわやかな香りの香草スライムなんてどうよ、
と提案するも子どもたちにはさざ波程度の反応だ。
男児にとって香りの世界は無縁なのだろうか。

ところでわが国には香道というものがある。
香を聞くことにより心身の浄化や感覚を研ぎ澄ましたり香りのイメージで遊ぶ世界だ。
子どもたちにもコレに似たような感性を感じて欲しいものだ。
と、いうわたくしの大人の見解でハーブスライムに決定!

では、先ずミント。
ウム、爽やかな香りにくつろぎを感じるよね。
では、鍋に水を張りミントの葉を入れひと煮立ちさせてみる。
ここでは香りと色素を抽出させよう。

ところが香草は爽やかだ、なんて思うのは一瞬だ。
子どもらが一斉に作業を始めると野草のくどさが部屋中にただよいだして、
鼻の穴が土管になるぞォ、騒ぎ出した。

ええい、やかましか。
これではリラックス効果が真逆になるではないか。

では、引き続き。
やがて加熱した鍋には草木色に染まった水溶液ができあがる。
これを冷まし置き後はホウ砂と水糊に加えて撹拌する。
以降、スライムの正しい作り方や材料の分量は割愛させていただくとして、
この他にライムやレモンバーム、特別バージョンでお菓子作りのために
常備しているシナモンやバニラを提供した。
カンナの花やヤマゴボウの実を煎じ取った色素も発色がいい。

子どもたちの意見も尊重してチョコレートやコーラのスライムも誕生した。
鼻孔を抜けるさまざまな香りと手にぐにゃっと吸いつくスライムの感触とが相俟って、
なかなかの心地好さではないか。
見た目も駄菓子屋さんの水あめのようで美しく宝石のようだ。

だがカレー粉スライムはいただけない。
理由は癒しの香りという範疇から逸脱した調理臭のイメージが香気の世界感を打ち消し、
手につくクミンのしつこさで安らぎを共有できないところだ。

しかし、カレー好きの子どもの発想としてはなかなかユニークなので座布団10枚。
当スライムの良点をあえて言うならば
カレー臭が鼻から胃へまとわりつき
腹がもたれる感覚で食欲が失せて行くというところだろう。
大人のダイエットおもちゃにどうだろう。
などと香りスライムに夢中になっているのは、
いつしかわたくしのみであった。

やれ、やれ、夏の研究課題はこれにて一件落着だ。
なお、スライム作りは一応、科学実験であるため大人と行うのが基本である。
と、子供らを前に上から目線でそう告げると折り返し
「スライムは何に役立つのか」を尋ねてきた。

で、こう話した。
キミたち、自然界には不気味で気持ちの悪い虫がウヨウヨいるよね。
それを観て自分たちはこんなヤツ、なんの役にもたたない、
必要じゃないなと思うことがあるじゃないか。

では、自分はどうだろう。
いったいなんのために生まれてきたのだろうか、とよ〜く考えてごらん。
ほら、ほら、なかなか答えがでないものだろう。
世の中には役に立つとか立たないとかの断定よりも
黒白明白でないところにこそ開拓の可能性や発見の喜び、
そして明るい未来があるのだよ。

すなわち、「己で考えよ」ということだ、
の、一行の文言で済む内容だったが咄嗟、核心に迫られたために、
煙に巻いて質問の息の根をムリヤリ止めてやった。

それにしても意表を突くかなりハイレベルで鋭い質問であった。
そろそろ夏休みが終わろうとしている。








posted by イイジオリーブ at 16:14| Comment(0) | 香草スライム作り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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