ソムリエ講座2期でご一緒したみなさん、『オリーブ2木の会』のブログが出来ました。
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2013年02月25日

タルト・タタンと多事多端。


字がきたなすぎてお粗末で、おまけに誤字でボツにした年賀ハガキの整理をしている。
書き損じはがき11枚で、途上国の子どもがひとりひと月、学校に通うことができるのだから
当作業は毎年の必須項目なのだ。
ところが本年のユネスコ「書き損じはがきキャンペーン」は記憶ちがいで、
あららぁ、締め切りはとっくにすぎていた。

身の周りにおわれていると大切なことを見落としてしまいがちだ。
世間ではよく多忙を極めるとこころが滅びるとゾ、といわれる。
その一方で多事多端はデキル者にのみ与えられた試練だと語られ、
そのまた対角には貧乏ひまなしとやらのことわざが鎮座している。
どうやら多忙のトライアングルは、各人、生き方の得意わざや、
その目標の容量で音色が変わるようだ。

と、第三者的な考察も実際は容量年齢とかいうのがあって、
なにかをやるにはよほどの気合いをいれなければ人生の難儀な物件は乗り越えられない。

ところで乱暴な組み合わせをすると
多事多端に読みが似て非なるものにタルト・タタンがある。
前者の味わいはせわしなく苦々しい。
に、対して後者のタルト・タタンはバターと砂糖でソテーしたリンゴが
至極のしあわせを呼ぶあめ色のスイーツだ。

そのタルト・タタンのキャラメル化したりんごからあふれ出る滋養深い酸味を、
ひとたび味わえばうっとりとなるのは、わたくしだけではないだろう。
くわえてこのお菓子が誕生したうっかりな経緯に迂闊者の当方は、
日々遭遇する身近な事例であるがゆえに、
相手が人ではなく食べ物であるにもかかわらず、
タルト・タタンとは血が繋がっているように思えてきて、
極限までこのお菓子が愛しくなるのだった。

さて話は19世紀後半のフランスでの事。
時に日本は八重の桜の新島八重さんとリンクするころだろうか。
パリ南方に位置するとある町で、
小さなホテルを営むタタンさんという名前の姉妹が大勢の客人の接待に追われていた。
そこで姉妹のひとりが忙しさの片手間に、
客人のデザートとしてリンゴのタルトを作ろうとした時のことらしい。
焼きの段階でなんかヘンだな、と思ったタタンねえさんは、
あいたた、タルトの生地を入れ忘れとるじゃん、と気づくのであった。

とうぜん、やべ〜って感じだナ。
しかし、料理の鉄人であるタタンねえさんはうろたえるどころか、
電球ピカッとひらめくのである。

で、ベイクの途中からやおらタルトの生地を押しこんで焼き上げるや、
本来は上になるはずのタルト生地を逆さの
ドンガメ伏せにしてどうにかこうにか体裁をつけたのだった。
この発想の転換のすばらしさ。
人生も料理もここぞという気合いを入れる瞬間があるのだと教わる話だ。

その後、スイーツがいまだかつて味わったことのない衝撃的なうまさ丸だしときて、
思いがけなく好結果を生んだタタンねえさんの名前とともに好評を博したのだという。
くー、怪我の功名、棚からボタモチっちゃ、こういうことか。

ま、今でいう行列のできる店って感じだろうが、
今じゃ里山に住む当方までもがタルト・タタンを作るためのリンゴの木を植える程に、
その美味しさは全世界の美女を虜にしてるわけネ。
ん?なんかおかしなことを言ったかナ。

タタンねえさんのうっかり、ちゃっかり、
あっぱれ話は大胆脚色、不敵割愛なので、
ご興味あらば正式はウエブで。






posted by イイジオリーブ at 16:48| Comment(0) | お菓子 タルト・タタン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月30日

小布施 ブラムリーアップル


昨日まで出てなかったのにね、な〜んて独りごとをつぶやきながら
フキノトウをふたつ摘み取った。
蕗の薹とくればツクシとがん首をならべる春の代名詞。
ここかしこ散策をするみなさんにも愛でていただきたいとの思いから、
そのままにしておこうと考えていると、
はるか向こうからこちらへとやって来る
茶飲み友達のじいさんの姿が見え隠れするのだった。

あのじいさまに「鑑賞」という文字は皆無。
ここは早い者勝ちだ。
そんなこんなの博多は春らんまん。
日長一日、陽気にすっぽり包まれている。

そんな最中、小布施ブラムリーアップルの手づくりジャムをいただいた。
当リンゴはご周知のとおり料理用の青いりんごで通称、クッキングアップルだ。
一緒に添えてくださったリーフレットの
ブラムリーアップル物語もはずせないもののひとつになる。

奇しくもここひと月前のこと。
苗を求めネットサーフィンしていたがふところ事情と折り合いがつかず断念。
代わりにかわいい紅玉にすっぺ、と、ひとり植樹祭を終えたばかりだったのだ。
ブラムリーアップルとは、
これからもさらにご縁がありそうなので鼻息を荒くしている。フガ


posted by イイジオリーブ at 17:03| Comment(0) | ブラムリーアップル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月29日

ウニクレソン


決算期のいま半死半生、気息奄奄としている。
そこへウニ漁に身を置く知人たちが陣中見舞いに来てくれた。
あ〜りがたや〜 ありがたや♪〜
出迎えのあいさつは丁重に。
手みやげに馳せるこちらの胸内を悟られぬように慎重に。
そして、おもむろに手提げ袋に目をおとしながらさりげなく。
の、はずだったにも拘わらずおもわず頬がゆるみ喉が鳴ってしまった。

それもそのはず、なんとウニの容量が箱板ではなくアルミ製の弁当箱だったのだ。
わたくしは欣喜雀躍する気持ちを読まれまいと必死に取り繕ったが、
このような時ほど相手と目と目が合ってバツが悪い思いをするものだ。
しかしできる女は、緩んだ頬をすかさず優雅な微笑みに変え
その場を悠然と乗り切ることができるのであった。

さて前項で述べたようにウニは大量だ。
おまけに雪駄並みの粒ぞろい。
それはあたかも黄金の海はよう〜、海はよう〜♪である。

折しも夕餉の時刻が近づいたのでウニ丼などいかがかな、と一応、振ってみる。
この事態に於いてだいたい一般人というものは、
重い腰を上げ居住まいを正して「オイトマつかまつる」とかなんとか述べながら
長居を詫びるものだ。
ところが、つわものたちはそんじょそこらの人たちとは次元が違う。
彼らは合唱するかのように
「生ウニは食べ飽きたんで違うもんがいいのう。」と、のたもうたのだった。
キミたちは帰らんのかね。

仕方がないので「ウニクレソンはどうかね」と再提案してみる。
すると今度は、おっさんのツボに直球で入ったようで、
おおっっ、とか、そりゃなんじゃ、もんじゃ、と、どよめきが上がったのだった。
この料理はウニとクレソンに醤油をちょこっと落してソテーしたものだ。
ステーキの付け合わせのクレソンとウニとのミスマッチさプラス、
美味しさと簡単なレシピとが大受けで
広島のどちらかのお店で好評を博している、といつだったかテレビで放映していた。

ではクレソンの調達に参ろう。
げげげ、げげげ。
粉雪舞う中を、のけぞるおいさんたちを引き連れ、
近隣の畑へと向かいて川に下りる。あはは、もちろんツワモノたちが。
首に手ぬぐい、長ぐつ姿。
鎌を片手の出で立ちから察すれば、
ここはクレソンを「刈り取る」の形容の方が適切であるに違いない。
わたくしはといえば土手に立ち、
あそこ、ここ、と、おっさんたちにクレソン収穫の指導に忙しい。

ところで繁殖力旺盛なクレソンは春になると白のかわいい花をつけるので、
お色気のない今時期が食べごろとなる。
鼻孔に抜けるピリッとした辛味感が爽快な野菜だ。
聞くところによれば明治の初めに在留外国人用の野菜として渡来し、
レストラン精養軒さんの料理に使われた茎が
不忍池に流れ込んで野生化したという説があるそうだ。
それが全国津々浦々に拡がったのだろうかねぇ。

ヨーロッパ原産のアブラナ科の植物にして、
ビタミンCのほかベーターカロチンにミネラルやカルシウム、
鉄が豊富で緑色のきれいなクレソン。

かたやビタミンB1やB2、グルタミン酸に血液をサラサラにする
EPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれる
消化吸収の良い黄金色のウニ。
これら強力コンビにいま出回る初搾りのオリーブオイルの参戦となれば、
これは味覚、滋養や配色においても最強に違いない。

さぁて、もうふた月もすると水はゆるみ川面は、
クレソンにおおわれて水底すら見えなくなる。
冬きたりなば 春とおからじ
イギリスの詩人、シェリーの「西風に寄せる歌」にある一節に寄せて、
本年もへこたれまい。





posted by イイジオリーブ at 16:43| Comment(0) | レシピ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月31日

年越しクレソン蕎麦。


夕方、外まわりの掃除をしていると村のご一行さんがさしかかり、
大きなビニール袋からクレソンを手づかみで山のようにわけてくださった。
趣向をクレソン入り年越し蕎麦とこじゃれてみる。
と、耳を澄ますと山の方から除夜の鐘の音が
みなさま、どうぞ佳き新年をおむかえください。

posted by イイジオリーブ at 23:59| Comment(0) | 新年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月29日

極月の読書


夏に枯れたとばかり思っていたナスタチュームが芽を出している。
その事に気がついたのは先月末の事だった。
おそらく鉢の中で、「水ば、くれろ。」とか、
今季、出るか、出るまいか、ゆく年、くる年、新年か、とかの内的葛藤の末、
「ええい、おどかしちゃるばい。」と姿を現したにちがいない。

ところでナスタチュームとは「鼻が曲がる」と言う意味なのだそうだ。
食味すると葉も花もピリリと鼻をつく辛さがあるので名前の由来はソコなんだろうなぁ。
もちろん、その味わいはオリーブオイルとよくからむ。
そこが好感触で植えてみたんだが日を追うごとに萎え、衰え、脱力。
ついに果てた、と確信したので庭のすみっこに鉢を寄せといたものだった。
それがこの度、元を取り戻すようで気分爽快だ。

その爽やかなこころもちのわたくしに、
園芸に精通する友人が「ナスタチュームは暑いのが苦手なのだ。
だから暗隅に捨てたのが功を奏したのだろう。」と言い放ってくれた。
放棄とか見捨てたなどと言われるといまひとつ釈然としない。
が、まっ、そこは大人の対応で
なるほど、なるほど、と素直にうなずいておく。

さて、師走に入り博多はすぐに冬将軍の到来となった。
慌てふためいていると「めでたい復活に際し越冬させよ。」との指令がくだったので、
アイアイサー、と直球を投げてはみたがナスタチュームって冬が越せるんかねぇ。

とはいえ、わたくしの今の課題は元手(100円)回収である。
教わった通り室内に取り込むとにわか仕立ての温室に囲った。
するとほんわかと温まって季節を勘違いしたのかな。
おかげさまで新たな芽先を見せはじめた模様だ。

そのように指導はじょうずなのに家では「一寸先は闇夫婦」。
そこで復活と聞いてひらめいたトルストイの小説を引き合いに、
「若い女性を捨てた主人公がその後、自己の倫理観の欠如を反省し、
傲慢さを知っていく内容の濃い『復活』を読んでみ〜よ。」と友人に説教を垂れると
ご新造さんから大きな餅が届いた。
しかし、むかし漫画本で読んだトルストイがこんなかたちで役立つとはねぇ。

さて来年は、園芸家の御倉多公子さんの著書である
「トマトマニア」に倣いさまざまなトマトに挑戦してみたいと考えている。
本には御倉先生のトマトっぷりが素直な文章ときれいな絵写真、
イラストに集約されており、目をとおしていると晴れた気分になるところがとてもいい。

書籍とくれば石関善治郎氏の『吉村嶐明の帰郷』だ。
世間にいならぶ吉村嶐明氏関連書籍の中でもこれは必読だと思う。

紅白よろしく大トリは、先日、サンタのジーさんが届けてくれた
トム・ミューラー著「エキストラバージンの嘘と真実」。
先ず、インパクトあるオイルボトルの表紙デザインに視線が向かう。
それからオリーブオイルの惨状を見通して書かれた
「疑惑にまみれたオリーブの世界」という文言に、
おどろおどろしい食卓についたような感覚で読み始めたのに対し、
頁をめくるごとに不思議と食指が動くのだった。
実際、コーヒーを点てたり、物を食べたりの片手間に本を読むなど不謹慎状態がつづく。

また、飛び越えて読んだ巻末を締めくくる多田理事長の解説は、
的を射ており胸が清々しくなる。
想えば二年前のソムリエ講習最終日、
「ますます研鑚を積みオリーブオイル社会に良心のバトンタッチを繋いでいきましょう。」
と、おおせだった理事長の言葉は、
まるで当書籍の出版を予見しておいでだったかのようだ。
お正月休みに読破したい。


posted by イイジオリーブ at 23:10| Comment(0) | 書籍・雑誌などメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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